
フレッシュ物流株式会社は三重県四日市に本社を構える運送会社です。3年前から健康経営に取り組み始め、企業対抗で行なうウォークラリーへの参加など、従業員の皆さんが楽しめる健康経営活動を目指して活動されています。
健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)の認定を受けたときには、上位500社に与えられるブライト500の認定も取得しています。今回は同社で健康経営に取り組む、宮崎さんにお話を伺いました。
三重県を中心に運送事業を行なう、フレッシュ物流株式会社
ーー本日はよろしくお願いします。まず、御社の沿革やおもな事業内容について教えてください。
宮崎さん(以下、宮崎):当社は三重県を中心に東海エリア19カ所に営業所を構え、食品を中心とした運送事業を行なっています。常時150台以上が運行し、輸送から保管、流通加工まで高品質なサービスを展開している会社です。
従業員が健康で働いてくれることは当たり前ではない
ーーありがとうございます。健康経営を始めたきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
宮崎:3年前に新型コロナウイルスが流行した際、パートナー企業の従業員が早期に感染してしまい、当社の従業員も家族への感染などを心配したことで、出勤率が3割程度に減少したという出来事がありました。このことは「従業員が健康で働きに来ること」は当たり前ではないとあらためて感じるきっかけとなり、これから先、全従業員が健康で働いてもらえるよう健康経営を進めていく必要があると考えました。
以前から、社長は健康経営を進めていきたいと考えていましたが、このことがきっかけとなり、3年前から本格的に健康経営に取り組み始めています。
個人目標に対して3カ月間取り組んでもらう健康チャレンジ
ーー最初はどのような取り組みから始められたのでしょうか?
宮崎:最初は新型コロナウイルスの感染予防について積極的に取り組みました。当社は食品を扱う会社のため日頃から清掃を徹底していますが、消毒や手洗いなどの感染対策についても会社全体で徹底して行なえるよう、注意喚起のポスターなどを作成していました。
また、初年度は当社より先に健康経営を進めている運送会社の方にご指導いただき、「健康チャレンジ」という施策にも取り組みました。この施策は、健康に向けた目標を個人で考えてもらい、目標達成に向けて3カ月間取り組んでもらうというものです。
目標は付箋に書き出してもらい営業所に張り出していますが、「睡眠時間を何時間以上取る」「野菜を多く摂る」「一日どれくらい歩く」「アルコールを節度ある適度な量にする」といった内容がありましたね。
ーーこの取り組みによって、従業員の皆さんの健康に対する意識は向上していますか?
宮崎:個人目標を掲げる取り組みを始めて2年目、3年目になると、「血圧を下げるにはこうしたら効果があったよ」「ダイエットにはこれを取り入れるといいよ」と私たちが教えてもらうことも増えましたね。このように健康への意識が高い方はまだ一部の従業員ですが、少しずつ社内に浸透してきていると感じています。
企業対抗のウォークラリーで運動促進を目指す
ーーほかにはどのような健康経営施策に取り組まれましたか?
宮崎:昨年、運動促進を目的として企業対抗のウォークラリーに参加しました。歩いた歩数に応じてアプリ上で東海道五十三次の宿を進んでいくという内容ですが、1カ月間のチャレンジのなかで当社は最終地点の京都の宿までたどり着くことはできませんでした。
しかし、参加した管理職やリーダーを務める従業員が、ほかの企業と競い合うなかで夢中になって取り組んでくれたので、とてもうれしかったです。今回は管理職やリーダー職を対象メンバーとしていましたが、今後は対象の従業員を広げていきたいと考えています。
健康経営は従業員に楽しんで取り組んでもらいたい

ーー健康経営に取り組むなかで大変だったことはありましたか?
宮崎:健康チャレンジという個人目標に3カ月間取り組んでもらう施策の参加者について、去年は全員参加を目標としていましたが、一人だけ不参加となってしまいました。全員に参加してもらうためには、「何のためにこの施策を行なうのか」を理解してもらう必要があります。朝礼での周知や面談での声かけ、一斉メールによる連絡などを行なっていましたが、それでも伝わらないこともあり周知活動は大変だと感じています。
ーー健康経営の取り組みによる効果や従業員の皆さんからの反響はいかがですか?
宮崎:企業対抗のウォークラリーは、参加したメンバーが楽しんで取り組んでくれました。最初は「また何かやらされる」といった反応でしたが、アプリ内でほかの企業がどのくらいまで進んでいるかを確認しながら、平均歩数を競い合うなかでだんだんと白熱していったので、健康経営推進チームとしても手応えを感じた取り組みとなりました。当社は、従業員の皆さんに楽しんで健康経営に取り組んでもらいたいと考えているので、うれしい反響でした。
実際に体験できる取り組みを進める

ーー健康経営の今後の目標や計画について教えてください。
宮崎:私たちリーダーと呼ばれる健康経営推進チームが、健康経営についてもっと勉強する必要があると感じています。今後はそのような時間を確保して、より良い健康経営を進めていきたいです。
また、ウォークラリーをとおして、知識を提供するのではなく実際に体験するほうが皆さんに楽しんでもらえると気付いたので、来年は運動能力テストを実施したいと考えています。「自分は年齢に対してどのくらいの運動能力なのか」を知ることで、自分の体の健康について考えるきっかけになればうれしいですね。
ーー最後に、健康に関心のある読者の方や企業で健康経営を担当されている方に向けてメッセージをお願いします。
宮崎:当社は3年前に健康経営に取り組み始めたところです。ほかの企業さんがどのような取り組みをされているのかなど、情報を交換できる機会があれば参加したいと思っています。お話しできる機会がございましたら、当社にご連絡ください。
ーー本日はお話いただきありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:フレッシュ物流株式会社
インタビュアー:塩野実莉
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