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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営を取り入れて新しい建設会社のあり方を目指す!会津土建株式会社にインタビュー

3Kを払拭して発展を願う老舗の総合建設会社

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは御社の事業内容について教えてください。

菅家さん(以下、菅家):会津土建株式会社は、福島県会津若松市という昔ながらの城下町に本社を置く、間もなく創業100周年を迎える老舗ゼネコンです。

主体事業は道路や河川、トンネルをはじめとする土木と、商業施設や学校、医療機関などの建築。測量現場でのICT施工やドローン活用、海外の新しい工法を進んで取り入れるなど、積極的に技術革新も行なっています。

従業員は10代から70代まで幅広く在籍しています。

ーー健康経営を始められたのには、何かきっかけがあったのでしょうか。

菅家:東京の一極集中により地方都市の経済は低下し、人口流出や少子高齢化といった問題から、ますます首都圏との差が広がっています。建設業は、「きつい・汚い・給料が低い」という「3K」に挙げられる業界で、もともとのイメージがあまり良くありません。

健康経営によってこうしたイメージを払拭し、生まれ育った故郷で、代々やってきたこの会社を今後も発展させていきたいと考えて取り組み始めました。

また、私自身、幼少期には体が丈夫でなかったこともあり、日々の運動や健康について意識しています。弊社の事業としても、建設現場での仕事は体が資本となりますし、会社は人なりだと私は思います。

従業員の生産性や効率を上げるには、新しい技術や新工法の導入だけでなく、体と心の健康も大切です。健康経営に取り組むことで、従業員に長く、元気に働いてもらえる環境を整えたいと考えています。

ーー従業員の皆さんの健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

菅家:これは建設業にありがちなことだと思いますが、喫煙者の多さは問題に感じています。また、肥満率が意外と高いのも改善が必要な点です。

現場で働くときの消費エネルギー以上に食事を摂ってしまうことや、作業着はスーツとは違って体にピタッとする服装でないことからスタイルを意識しづらいなどが、肥満の原因になっているのではと、個人的には考えています。

代表が率先して取り組む姿を見せる健康経営

ーー実際に行なっている施策について教えてください。

菅家:まずは従業員の意識を変えるよう、会社から発信していきました。会社として健康を意識していく、これからはそういう時代であり、従業員の体も気にかけているということをアナウンスしました。

その流れで喫煙を止めるよう促し、社内を分煙化。最近、最先端デザインの社屋へリノベーションも行ない、そのなかでは火タバコを吸わないようにルールを設けました。

じつは私自身も喫煙者でしたが、会社トップとして有言実行する姿を見せないと、誰も禁煙に踏み切らないと思い、社員に自身の決意を表明し、率先して禁煙に取り組みました。

長年の習慣になっている人にとって禁煙は簡単ではありません。私自身も禁煙を始めた最初の期間は苦しい思いをしました。そのため、すぐに禁煙を求めるのではなく、喫煙に対する社会の印象や副流煙の影響を認識していただけるよう促していくことにより、少しずつ禁煙に意識が向くのではないかと思います。

肥満者が運動習慣を付けるための対策には、福利厚生を充実させました。これまで手軽に運動できる環境が整っていなかったので、スポーツクラブと契約して従業員が安価に利用できるようにしたり、地域のスポーツイベントにも社員を募って参加したりするようになりました。また、社内にも少しずつ運動器具を設置するようにしています。

櫻井からは社内にニュースレターを出してもらい、健康への意識を高めてもらうようにしています。

櫻井さん(以下、櫻井):ニュースレターは月1回を目標に、健康情報を配信しています。体調管理や食生活、休憩時間にできる簡単な運動方法など、詰め込みすぎず気軽に読んでもらえる内容を目指しています。

定期的に配信することで、日常的に自分の健康を振り返るきっかけ作りになればと、取り組んでいるところです。

菅家:また、現場作業の際にも身なりを意識してもらえるよう、作業着も一新。生地選びから寸法、デザインの細部までこだわって注文したものが、来年の夏にできあがる予定です。

体だけでなく心の健康課題にも目を向ける

ーー心の健康について課題に思うことや、その対策はされていますか?

菅家:建設業界は話し方が荒い傾向もあります。そのため誤解が生じやすく、ハラスメントが起きてしまい、メンタル不調に陥ってしまうことも。そういった面でのフォローも必要だと感じていました。

具体的にはコンサルタントや社会保険労務士の先生をお呼びして、全社員を対象に講座を行なったりしました。言葉の使い方、受け取り方一つで、相手を傷つけることはある。そのあたりを意識できるよう、社内研修でも取り入れています。

人間誰しも何かしら弱い部分はあるものです。それを管理職がヒアリングを含めて拾い上げ、対処できる環境を作れるようにしています。担当者を決めて相談窓口も設置しました。

定着率の向上や社内の好循環など、健康経営の効果は大きい

ーー取り組みによる効果や従業員の皆さんからの反響はいかがでしょうか?

菅家:取り組みについては毎年アンケートを実施し、年々良くなってきていると思います。健康経営として行なっていることは福利厚生の充実になる部分もあり、その面での従業員満足度は高まっているのではないでしょうか。

もちろん、まだまだだという声もあるのですが、一定の評価にはつながっていると思います。

特にこの5年間で目に見える数字として表れた変化としては、人材の定着率です。

恥ずかしい話ですが、5年前から10年前の定着率は、若い新人が入ってきても途中で辞める割合が多く、定着率は65%くらいでした。入ってきてもすぐ辞めている状況で、さらに遡ると、もっと悪い状態だったんです。

ですが、最近の過去5年間の定着率は95%となっており、若い求職者も増えました。

採用活動でも、健康経営に取り組んで従業員の心身をケアしながら、これまでの建設会社にあった悪いイメージを払拭し、新しいスタイルを作っていきたいと思っています。

学校の先生方と相談をしながら、生徒様や親御様に直接お話をさせていただく機会を設けたり、メディアやSNSを通じて弊社の最新情報や建設業界の動向を発信したりすることで企業価値が高まっているように感じます。

建設業界の問題点や働く環境もきちんと伝え、それでも頑張りたいと思ってくれる人が入ってくださるので、定着率の向上につながり、会社の基盤となっています。

櫻井:現場へ直行直帰する従業員がほとんどで、私が配信しているメールマガジンの反響をいただく機会は少ないのですが、それでもすれ違ったときなどに内容を読んで実践してみたという声を聞くことがあります。そういった反響があると、やりがいを感じますし、うれしくなりますね。

菅家:だんだん運動への意識も高まり、スポーツやダイエットに取り組む社員が増えてきました。「健康数値が上がった」とか「ベルトの穴3つ分、ウエストが減ったよ」といった話題も出ているようです。

従業員が心身ともに健康で、明るい笑顔と元気な挨拶により社内の環境が益々明るくなります。その好循環がとても大切で、ポジティブな言葉一つが元気の源になり、前向きで精力的に働く意識につながると信じています。

建設会社のニュースタンダードを目指して

ーー今後の目標や注力されていくことがあればお聞かせください。

菅家:建設業界自体、まだまだ良いイメージを持たれていない部分があります。土まみれ、埃まみれになって、力仕事が必要なのも事実です。

弊社では現場や事務作業におけるICTやIoTの活用にも力を入れています。新しい技術はどんどん取り入れて、可能な限りストレスなくスムーズに働ける環境にすれば、従業員の負担も軽減され、会社の業績にもつながるでしょう。

本当に直接会って話をしなければならない相手であるなら、何時間かけてでも出向くこともあります。一方でZoomなど、オンラインツールで対応したほうが良い場面もあるので、温故知新をテーマに、古き良きものと新しい良きものを混在させながら、新しいスタイルの建設会社になっていきたいと思っています。

現在、建設業界では「給与・休暇・希望」という「新3K」を推進する動きがあります。弊社ではそこに「かっこいい」を加えた「新4K」を宣言し、かっこいい業界、建設会社の域を超えたニュースタンダードな会社を目指したいです。

そこには従業員の健康を考えた健康経営を基盤に、今後も新たな取り組みを研究し、より良い会社経営に勤しんでまいりたいと思います。

一人ひとりができることを積み重ね、前向きな社会へ

ーー最後に健康へ関心のある読者や、企業で健康経営に取り組む担当者へ向けたメッセージをお願いします。

菅家:私たちを取り巻く世界の情勢や環境が変わっていくなか、日本社会の今後に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

経済的な部分でも、日本は人口減少も少しずつ起きており、経済の停滞が見られ、他国にキャッチアップされる状況です。

このままでは未来の日本を支えていく子どもたちに顔向けできません。明るく元気な社会を提供できるよう、頑張らなければと思っています。

世の中が笑顔になれる社会にしていくには、一人ひとりが意識するとともに会社が一丸となって、明るく元気に働ける環境を作っていく必要があるのではないでしょうか。

例えばダイエットでも、日々忙しい中での運動や食事制限の辛さなど、難しいところもあると思います。その中で、できることを発見し、コツコツ取り組むことが大切です。

大切な従業員を守るためには、健康経営を推進し、心と体が充実した環境の改善にチャレンジすることが大切です。みんなで頑張っていきましょう。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:会津土建株式会社

インタビュアー:島田佳代子

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