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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営を風土に。3年連続「健康経営優良法人」の株式会社リードにインタビュー

デジタル社会を支える株式会社リード

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。

鈴木さん(以下、鈴木):当社は今年(2023年)で創業から49年目のダイヤモンド工具製造会社です。パソコンやスマートフォン、HDDなどに使われている電子部品を加工するのに特化したダイヤモンド工具を製造しています。

HDDの読み取り・書き込みをする磁気ヘッドという部品の加工工具は、業界シェア90%です。私たちの工具はデジタル製品の骨組みを担い、デジタル社会を支えているという自負をもっています。また、半導体分野や医療分野にも精密加工工具を提供しています。

日本国内の拠点としては神奈川県の横浜ランドマークタワーに本社があり、新潟、仙台、福島の3つの工場があります。特に宮城県の亘理町にある仙台工場には開発研究所もあり、主要な拠点です。

営業所は本社横浜と仙台、海外拠点は香港支店とバンコク駐在員事務所があります。全従業員数は184名で、男性134名、女性50名となっています。

社内の特徴としてはレクリエーションが多いことが挙げられます。コロナ禍でできない時期もありましたが、昨年(2022年)は全社員で伊勢へ社員旅行に行きました。キャンプをしたりマラソン大会に出場したりするなど、クラブ活動も活発です。

「幸福経営」から始まった健康増進

ーー御社の健康経営は、プロジェクトを立ち上げて開始されたそうですね。経緯について教えてください。

福田さん(以下、福田):リードでは「さて そのつぎは」という社訓と「幸福経営」を掲げています。幸福経営とは、社会・地域、お客様、社員など、会社に関わる全ての存在が幸せになることを追求する理念です。

この幸福経営の実現には社員の健康が重要だという考えがあったこと、そして「健康経営優良法人」に認定されているパートナー企業さんがいらっしゃったことも活動のきっかけになりました。2018年4月にプロジェクトを立ち上げ、本日のメンバーが健康経営担当者となって社内の活動を進めてきています。

鈴木:パートナー企業さんにお話を聞くと、当社がこれまで「さて そのつぎは」のもとにやってきた活動と関連することも多々ありましたし、トップの後押しもあったので、健康経営スタートに対するハードルは低かったです。

拠点独自の工夫も。健康宣言カードで健康意識アップ

ーー実際の取り組み内容についてお聞かせください。

福田:まず富士山の山頂を目指して進んでいくデザインの「健康宣言カード」を作りました。期初の8月に全社員が健康宣言カードを受け取り、健康に関する自分の目標を書いて宣言します。

カードは各工場で張り出して、一年後にどこまで達成できたかを振り返っています。山のデザインにしたことで進捗が目に見えるのがポイントです。

ーー本日の皆さんはどのような目標を立てているのでしょうか?

福田:私の場合、49期(2022年9月~2023年8月)は習っているピラティスの動きを自宅でもルーティン化するという目標にしました。達成状況は好調です。

小関さん(以下、小関):私は歩数計や一日の水分摂取量、禁酒日を守るなど、毎年自分の健康状態に合わせて目標を設定しています。他の社員の前で内容を宣言することも、健康意識を保つのに役立っていると思います。

長谷部さん(以下、長谷部):新潟は冬になると雨や雪の日が多いので、出かけにくい日は自宅でストレッチや体幹トレーニングをしています。体調によってできない日もあるのですが、継続を目標として取り組んでいます。

八幡さん(以下、八幡) :私は今回、週3回30分運動して体重を3kg落とすという目標にしました。自宅でトランポリンなどを使って楽しく運動しています。

ーーほかの社員の皆さんの取り組み状況はいかがですか?

福田:達成率は上がってきていると思います。一年後に達成状況を集計し、その結果と各工場からピックアップした達成者も社内報で紹介しています。私は普段本社勤務ですが、たまに工場に行くと健康経営の話題を出してくれる社員もいますので、徐々に浸透して広まってきているのではないでしょうか。

鈴木:福島工場では「一人で目標を立ててもなかなか達成できないものだから」ということで、工場全体で同じ目標を立てています。近くに鹿狼山という山があるので、今期は「健康維持のためにみんなで4回山登りをする」という目標にしたそうです。健康宣言カードが進化をみせている、良い例だと思います。

活発なコミュニケーションにつながったサラダバー

ーー御社では昼食にサラダを提供する日があるそうですね。

福田:毎月の給与支給日を「健康の日」と名付けて、この日に各拠点で「サラダバー」を実施しています。

長谷部:会社の敷地内でミニトマトなどの簡単にできる野菜を作り、買ってきたほかの野菜と一緒にサラダを作っています。社員が持ってきてくれた自家栽培の野菜や、海藻、豆類も使っています。

八幡:このサラダバーを楽しみにしてくれている社員は多いですね。以前は大皿に盛って提供していましたが、コロナ禍の現在は一人分ずつ取り分けています。

ーー食の健康意識アップにつながると思いますが、それ以外に何か変化はありましたか?

鈴木:社員の会話が活発になりました。手作りドレッシングを提供してくれる社員がその効能について話してくれたり、「コーンをたくさん取ってるけど、好きなの?」「きゅうりは苦手なの?」といった何気ない会話が生まれたりしています。

ただサラダバーを提供することだけでなく、各拠点でこうした社員どうしのコミュニケーションを生み、お互いの知らない面を知る機会をつくることもねらいでした。

健康情報の発信やストレッチ体操も

ーー健康に関するコラムも作成されているそうですが、どのような内容なのでしょうか?

福田:社内報で「健康経営NEWS」というコラムを設けています。内容としては、例えば健康宣言カードの集計結果や食習慣、体の悩みについての社内アンケート結果、インフルエンザ予防の情報発信などです。

朝食についてアンケートを実施したときは、「毎日食べる」と答えた人が75%、「ときどき食べる」人が17%、「食べない」人が8%でした。朝食をしっかり摂る人をどう増やしていくかを現在考えているところですが、まずは皆さんに自分の食習慣に気づいてもらうことを目的としたアンケートでした。

ーー「ストレッチ体操」についても教えてください。

福田:2021年12月から、午後の休憩後に肩や腰をほぐしてリフレッシュするための「ストレッチ体操」を始めました。本社も含め、全拠点で一斉にストレッチをしています。発案者である長谷部の声でストレッチのガイドをするCDも用意して、各拠点で流しています。

小関:本社勤務でも一日座っていると腰が痛くなりますので、決まった時間にストレッチするのはとても良いなと感じています。朝のラジオ体操に加えて午後の休憩後の15時過ぎにも体を動かすことで、良いリフレッシュになっていますね。

植樹につながる「桜のサンキューカード」は社外からも好評

ーー社外からも好評の取り組みがあるそうですね。

鈴木:「桜のサンキューカード」というカードに日頃の感謝の気持ちを書いて伝え合う取り組みをしており、これも社員間のコミュニケーション向上を担っています。

この桜のサンキューカードは桜の花びらに見立てたピンク色のカードで、枯れ木をイメージしたデザインのシートにカードの受け手が貼っていくと、100枚で桜が満開になるんです。満開になったら福島の浜街道に本物の桜の木を1本植えています。

ーー実際に植樹をするという点も素敵ですね。いつ頃からの取り組みなのでしょうか。

鈴木:サンキューカード自体は社員の提案で10年以上前に始まったものです。社内活動から地域への植樹につながることが健康経営、幸福経営につながっていると思います。桜デザインのカードにしたのは、ちょうど健康経営を推進し始めた頃からです。

お客様や、工場見学に来た学生さんが工場の廊下に貼ってあるサンキューカードを見ると「すごく良い活動ですね」「温かい会社ですね」と言ってくださいます。

次世代へのバトンタッチ、健康経営の風土化を目指す

ーー健康経営について、今後の展望をお聞かせください。

鈴木:当社はまもなく50周年を迎えますので、100周年に向けて健康経営をリードの文化にしていきたいと考えています。

福田:健康経営優良法人の上位500社「ブライト500」を取得することが一つの目標ですが、そのためにもやはり一層団結して、全社で取り組む必要がありますね。

ーー全社的な活動にしていくために、例えばどのような方法がありそうでしょうか。

福田:当社では、職場メンバーがお互いの資質を相互理解することで組織への貢献意欲を高めたり、仲間意識を醸成したりすることを目的とした「エンゲージメント会議」という勉強会を開催しています。現在36チームあり、各チームで毎月30分~1時間ほど実施しています。

エンゲージメント会議は会社でやってみたいことを提案したり、日頃考えていることを共有したりしやすい場なので、健康経営についてもそれぞれのチームで考えを深めたり、その内容をチーム間で共有し合ったりできればと思います。

ーー最後に、健康に関心のある方や健康経営の推進ご担当者に向けて、メッセージをお願いします。

福田:健康経営に取り組む企業が増えていますが、当社も含め、「全社員で取り組む」ことが一つの課題になるのではないでしょうか。「コツコツ地道に取り組む」ことが大切だと思いますので、これから始める企業の皆さんもぜひ地道にコツコツがんばっていただけたらと思います。

鈴木:当社の場合はトップの後押しがあることも活動のしやすさにつながりましたので、経営陣の協力を得て活動することも重要なのではないかと感じています。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社リード

インタビュアー:青柳和香子

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