サントリーウエルネスオンラインの健康食品・サプリメント・化粧品

企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

「活力ある会社」を目指して健康経営。日本金属株式会社にインタビュー

幅広い用途に使われる鉄鋼製品を製造・販売

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。

中田さん(以下、中田):当社の事業は、鉄鋼製品の製造・販売です。一番の主力商品は冷間圧延ステンレス鋼帯で、自動車やパソコン・スマートフォンなどの電子機器、医療機器、工場内で働く産業機器など、幅広い用途で使われています。

現在、特に販売数が多いのは「自動車用光モール材」という、自動車の窓枠部分のフレームに使われる製品です。意匠性に優れ、高級車を中心に採用されています。

交代勤務による不規則な生活から、健康経営の必要性を考える

ーー御社が健康経営を始められたのには、どのような背景があったのでしょうか。

中田:当社が健康経営に取り組み始めたのは、2019年からです。

工場は24時間体制で稼働しており、そこで働く従業員の7割は「4組3交代」と呼ばれる交代勤務をしています。生活が不規則になりがちなため、健康への影響が心配されていました。

また、夏場は作業で汗をかくこともあってか、塩辛いものを好む従業員が多く、健康診断の数値もあまり良い傾向にはありませんでした。

当社は経営方針として「活力ある会社」を目指しています。活力が生活と仕事の源となりますので、従業員の心身の健康が重要だと考え、健康経営に着目しました。

ーーどのような体制で取り組みを推進されていますか?

中田:本社人事部が主体となり、各工場の総務課と定期的に情報交換や施策の発信をする「健康経営推進委員会」を開いて進めています。委員会は2020年頃から、おおむね月1回を目安に実施してきました。

ーー健康診断の数値にも課題を感じられていたと伺いましたが、改善が必要と感じたポイントは何だったのでしょうか。

中田:健康診断の結果では血圧や血糖値が高い傾向にあり、世間一般と比較して喫煙率が高い点も改善が必要と感じていました。

生活習慣病につながる数値の改善と喫煙率の低下、大きくこの2つに関して施策を進めています。

まずは健康を意識するきっかけ作り

ーー施策の内容についてもお聞かせください。

中田:外部講師を招き、生活習慣病対策や喫煙リスクなどを取り上げた「ヘルスサポートセミナー」を開催しています。まずは、従業員自身が改善に向けた行動を起こすきっかけ作り・動機付けを重視しました。

また、最近サントリーさんのアプリ「サントリープラス」を導入しました。社内に置く自販機の健康飲料やウォーキングイベント参加によって、健康習慣を身につけられるような仕組み作りをしています。

運動関連では、社内の階段に一段上ればマイナス何kcal、何階まで階段で移動すればマイナス何kcalというラベルを貼って、階段を使ってもらえるような工夫をしています。

ーー喫煙率低下に向けては、どのようなことをされているのですか?

中田:喫煙者を対象にアンケートも取り、喫煙をやめたいと思っているのかどうかについて調査しました。その結果、約10%の喫煙者は「本当は今すぐにでも喫煙をやめたい」と思っているとわかったんです。

そのように回答した従業員には個別にヒアリングを行ない、タバコをやめる方法として禁煙外来の受診やサポートツールがあるといった情報提供をしています。

多様なテーマで開催するヘルスサポートセミナー

ーー「ヘルスサポートセミナー」は、これまでにどのようなテーマで開催されたのでしょうか。

中田:最初はタバコをテーマに取り上げ、食事と運動のセミナーも実施しました。産業医の先生にも3カ月に1回程度のペースでセミナーをお願いしていまして、女性の健康問題や病気の予防もテーマとして取り扱っていただいています。

タバコをテーマにしたセミナーは喫煙者全員に参加を促しましたが、その他は自由参加で、当日出席できなかった従業員には録画を視聴できるようにしました。

ーーヘルスサポートセミナーのなかで、お二人が個人的に役に立ったことや、気をつけるようになったことなどはありますか?

中田:食事と運動をテーマにしたセミナーは毎日の生活に直結する内容だったので、意識しなければと感じましたね。

例えば栄養バランスについてあらためて認識しました。運動習慣についても意識するきっかけになり、一駅前で電車を降りて歩くようになりました。

瀧さん:私たち人事部は基本的に内勤ですので、一日中デスクワークをすることもしばしばです。そのため、自分のデスクでできる軽い筋トレやストレッチを紹介いただいたことが特に役立っていると思います。簡単なストレッチは心身をリラックスさせてくれますね。

健康経営は新卒採用でも注目されるポイントに

ーー健康経営の施策を進めるなかで課題を感じること、工夫されていることはありますか?

中田:健康経営について、社内の認知度を上げることは一つの課題かと思います。定期的に社内で情報発信をしたり、定期的にアンケートを取ったりと、できることから社内周知を進めているところです。

ーー健康経営に取り組まれて、効果や変化を感じたことはありますか?

中田:セミナーに参加した従業員から「自身の健康に向き合って、考えるきっかけになった」という感想をもらうなど、ヘルスリテラシーの向上を感じることがあります。

アンケートによると健康経営施策に対する満足度は高いため、健康を意識している従業員にとっては特に、求めるものを提供できている状況ではないかと思います。セミナーやアンケート自体の参加者、回答者も引き続き増やしていけるようにしたいですね。

ーー健康経営優良法人の認定を取得されて、対外的なメリットはありましたでしょうか。

中田:私たちは人事として新卒採用も担当しているため、学生の方から健康経営の取り組みに関する質問を受けることがあります。健康経営優良法人の認定取得は社外の方、求職者にとっても安心感にもつながっているのではないでしょうか。

近年は事業そのものだけでなく「どのように働くか」も重視されていますので、柔軟な働き方ができる環境であるかどうかや健康経営のような取り組みも注目されていると感じます。

継続的な取り組みで会社業績にもつなげたい

ーー健康経営について、今後予定されている施策などはありますか?

中田:喫煙率を下げられるよう、中長期的な目線で社内禁煙を進められればと考えています。禁煙外来の費用補助も検討中です。

生活習慣の改善に関する施策も引き続き取り組みが必要です。健康診断の問診で、睡眠の問題を挙げる人が多くなっています。セミナーでテーマに取り上げるなどして、ここにもアプローチしていきたいですね。

ーー最後に、健康に関心のある読者の皆さんへメッセージをお願いします。

中田:何をするにも、やはり心身の健康がベースです。会社として従業員の健康増進サポートに取り組み、毎日のパフォーマンス向上から会社業績アップへつなげていくことが、健康経営の一番の目的ではないでしょうか。当社は引き続き健康経営に取り組み、活力ある会社を目指してまいります。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:日本金属株式会社

インタビュアー:青柳和香子

商品を探す

健康食品・サプリメント

スキンケア・ヘアケア

健康グッズ