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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

再受診を呼びかけるほか、DX推進や社内SNSも従業員の健康に役立てる!株式会社橋本組にインタビュー

環境への影響に配慮する総合建設会社

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の沿革や事業内容を教えてください。

村越さん(以下、村越):弊社は、静岡県焼津市に本社を構える総合建設会社です。土木・建築事業を中心に海洋土木や不動産開発、住宅事業、生コンの製造・販売などの事業を展開しています。

建設業が環境に与える影響を鑑みて、品質と環境の両面のISOを取得し、法令遵守と環境負荷の低減・保全に取り組んでいます。また、業務にはDXを積極的に導入し、社員の働く環境を整えて、残業ゼロに対する取り組みも推進してきました。

健康であることの重要性を考え、健康経営に取り組む

ーー御社が健康経営を始められたきっかけについて教えてください。

村越:弊社では健康診断を全従業員に受けてもらっていますが、健康経営に取り組む以前は、受診後のフォローができていなかったことが気になっていました。

5年前、再検査で有所見となった従業員がいたのですが、業務の忙しさを理由に再受診しないままになっており、病気の発見が遅れてしまう出来事があり、現場の第一線で活躍されていた方だったので業務への影響も大きかったです。そして従業員の病気は、そのご家族への影響も大きいことを実感しました。

そういったことをきっかけに、再検査の対象になった従業員を把握し、再受診のフォローをするようになったのが健康経営に取り組み始めた背景です。

ーー従業員の皆さまの健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

村越:体を健康に保つのも仕事の一部であるはずが、仕事を理由に検査を先延ばしにしていたり、生活習慣に問題があったりしていたように思います。仕事優先があたり前で、健康管理は二の次になっているような、会社や建設業自体がそんな雰囲気になっていた部分を見直していかなければと感じました。

また、本人に自覚がない心の不調にもフォローができていませんでした。健康経営を進めるうえで、会社としてこの部分も改善が必要ではないかと感じた点ですね。

忙しさや人手不足から属人化してしまう業務や、従業員の負担になっている部分について、DXを導入することで少ない人数でも問題なく業務を進められる体制にしています。

DX推進で従業員の負担を軽減

ーーDX化で従業員の負担が減ったと感じられる、具体的な事例を教えてください。

村越:以前は現場の管理や施行に、大きな図面を100枚単位で持っていく必要がありました。大量の図面を持ち歩く労力もですが、印刷してまとめる手間もあります。

そうした担当者の負担になっていたものをデジタルデバイス上でデータ化して持ち運べるようになりました。iPadを持って現場に行けば、必要な資料がすべてカバーできるので、持ち歩きや印刷作業の労力をカットできたと思います。

橋本さん(以下、橋本):DX化は一見すると、健康経営に結び付かないようにみえるかもしれません。しかし、資料のペーパーレス化が進んだ結果、作業の効率化が図れています。

以前なら、書類を準備するために17時から本社で作業するなど、長時間労働の原因になっていました。今では17時か、遅くとも17時半には仕事を切り上げて帰宅し、身体を休められるようになっています。そういった部分では、DX化も健康経営の効果が出ていると実感しています。

地道な再受診フォローやマラソン大会への参加も

ーー御社で実施されている、健康経営の具体的な施策について教えてください。

村越:健康診断を実施していたものの、受けたら受けっぱなしになっていたので、再検査で有所見となった従業員に対し、かなり密な声かけをして再受診するようフォローをしています。

保健担当者が積極的に声かけをしてくれおり、再受診だけでなく、産業医との面談機会にもつなげ、自身の健康と向き合って考えてもらう機会を作っています。

本社を新しくした際、机や椅子などの設備も一新しました。バランスボールの椅子やゲーミングチェアも取り入れ、デスクワークも従業員の健康に役立てられるように工夫しています。バランスボールは姿勢の矯正になりますし、ゲーミングチェアはフラットにできるのでお昼休みの仮眠にも便利です。本社では、運動不足解消策として「60歳未満の従業員はエレベーターの使用禁止ルール」も導入しています。

運動のきっかけ作りとして、「焼津みなとマラソン」や焼津市の駅伝大会などへ参加を呼びかけ、参加費を会社で負担しています。私自身もですが、マラソンへの参加をきっかけに運動を始めた従業員も多いように思います。

橋本:運動関連のほか、禁煙の取り組みにも注力しています。もともと男性が多い会社ということもあり、喫煙者が多かったのですが、新社屋になったのを機に敷地内全面禁煙にしました。会社の敷地内だけでなく、社用車や民間工事の現場も禁煙化しています。

お客さまが禁煙に取り組んでいることもありますし、外の現場でも敷地内は禁煙という形を取っています。

社内SNSも活用して心の健康状態をチェック

ーー心の健康面での取り組みについても教えていただけますか?

村越:直接的な施策とは外れるかもしれませんが、弊社では社員同士で自由に交流できる社内SNSがあり、そのなかで報告業務もしてもらっています。

これは仕事の内容だけでなく、プライベートや趣味のことなど、割と何でも自由に書いて良いというスタンスで活用しており、保健担当者が従業員のコンディションの把握に役立てています。投稿内容から「最近元気がなさそう」とか「ちょっと残業が多そうだな」とか、心の不調につながりそうなものを感じたら、本人が不調を訴える前に声をかけるようにしています。

本当に人それぞれ、いろいろな投稿をされているのですが、私の場合はプライベートの習い事に関する内容を投稿しています。自分のバイクを写真に撮って載せる人や、趣味で参加した大会の様子を投稿する人もいて、本当に自由な雰囲気で参加してもらっています。

そうして自由に書けることもあってか、本音が漏れやすい場所にもなっているようです。そこから、不調のサインになりそうな部分を拾い上げて、健康経営の施策につなげられるよう心がけています。

橋本:社内SNSでは全従業員が同じ立場で情報発信できますので、ストレスを吐き出せる場所にもなっているのではないでしょうか。黙って何も言わないのではなく、言える場所があって、いろんなことをぶつけ合えるので今後も活用していきたいですね。

長く健康で働くためには問題の早期発見が不可欠

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことはありますか?

田中さん(以下、田中):これまで、再受診や精密検査を受けてもらうよう声かけすることがなかったので、行動に移してもらえるようにしていくのは大変でした。基本的に再検査はこちらが強制するのではなく、本人の意思で行ってもらうものです。

ですが、危機感を持ってもらえるよう伝えていかないと、なかなか動いてもらえません。例えば、便潜血が出て、大腸内視鏡検査を受けるようすすめても、検査を受けたくないといわれてしまいます。本人は重大な病気のサインだと自覚せず「大丈夫だ」と言い張ったり、「以前再検査したときも問題はなかったから」と理由をつけたり。

でも、それは今までの話であって今後も同じ結果とは限りません。以前は問題なくても、今年は違うことが原因で引っかかっているのかもしれません。本人が意識をあらためてくれるよう、言葉を変えながら伝えるようにしています。

自分の身体は一生付き合わなければならないものです。なるべく長く自分の足で歩いて、自分の手でつかんで、自分の口で食べられる人生を送っていただきたいので、強い言い方になることもありますが、根気強く声かけしています。

ーーくり返し伝え続けるなかで、従業員の方の意識が変わってきたと感じることはありますか?

田中:まず、私自身の意識が変わったように思います。自分の身体も大事だけれど、ほかの従業員の身体も大切です。ご家族のことを思うと、健康のために少しでも早く、再受診や精密検査を受けてほしいと思うようになりました。

再受診が1カ月、2カ月、3カ月と遅れるにつれ、命に関わることもあります。検査の結果、何でもなければそれでいいのですが、もしも命に関わるのであれば、治療に時間がかかるかもしれません。本人やそのご家族のためにも検査を受けて欲しいという思いで、取り組みを続けています。

ーー取り組みによる効果や、従業員の方からの反響はいかがでしょうか?

村越:再検査へのフォローはなかなか受診してもらえない状態でしたが、保健担当者がくり返し催促して受けてもらった結果、結構大きな病気が見つかったことがありました。無事に治療できたのは、大きな効果だと思います。

そのほか、マラソン大会や社内SNSの取り組みについても、徐々に会社のなかに浸透してきたことを感じますね。マラソン大会への出場をきっかけに、運動習慣が付いたという話も聞いています。

ーー健康経営の取り組みをされていることに、社外からの反応はありましたか?

村越:弊社は建築会社として、社屋をショールームにもしています。社屋を新しくした際、社外からさまざまな方が見学に来られたのですが、導入したゲーミングチェアやバランスボールチェアに興味を持たれる方が多かった印象です。

試しに一度座ってみると「これは自分の会社でも取り入れたいから、どこの商品なのか教えて」と問合せを受けることもありましたね。

離れたところにいる従業員にも気を配り活動を継続させたい

ーー健康経営の取り組みで、今後の計画されていることや、注力したいと思うことがあればお聞かせください。

村越:現在、健康経営を推進している総務部や保健担当は、ほとんど本社にしかいませんので、離れた現場や各工場の従業員の様子が把握しづらい状況です。本社から離れたところにいる従業員のことも意識して、コミュニケーションを取っていく必要があると感じています。

また、仕事に熱心な性格もあってか、休憩を取るのが苦手な人もいます。そういった人たちが、休憩しやすくなるような働きかけも必要です。例えば、ラジオ体操の時間を作って、仕事の手を止めてもらう機会を作れればと考えています。

健康診断後のフォローについては、再受診してくれる人も増えてきて、病気の早期発見につながった例もあり、成果が見え始めているところです。こちらは今後も手を緩めず、引き続き取り組んでいきたいと思います。

ーー健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

村越:若いうちから、元気なうちから、健康を意識するのは大切です。健康診断を受けるのはもちろん、再検査も早めに受診しましょう。それが、自分の身体を守ることになりますし、健康を害せば自分だけでなく、周りにも影響を与えます。

精神面での問題も何か気になることがあれば、自分で抱え込まず、人に話していくのも大事です。雑談でもいいので、どんどん話して解決の糸口を見つけてください。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社橋本組

インタビュアー:朝本麻衣子

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