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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

オリジナル健康通信で「実行性」と「実効性」アップ。株式会社桜交通にインタビュー

疾患の早期発見・治療が重要

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の事業について教えてください。

松川さん(以下、松川):当社はバス会社で、グループ会社を含めて全国に11の営業所を展開しています。おもな事業エリアは東北、関東、関西です。メインは高速バス事業で、ほかにも貸切観光バス事業、地域循環の路線バス事業、バスターミナル内でのインフォメーションセンターの運営を行なっています。

ーー健康経営に取り組まれるようになったきっかけについてお聞かせください。

松川:2017年から健康経営を始めました。当時は働き方改革が注目を浴び始めた頃だったと思います。当社では、以前から法令で定められた健康診断やストレスチェックは実施していましたが、加えて疾患の早期発見や治療を目的とした検査を導入して、従業員の健康状態の把握や職場環境の整備に努めていました。

取り組みを支援いただいていた協会けんぽ様の後押しもあり、健康経営優良法人の認定申請を行ないました。

ーー従業員の皆様の健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

松川:当社はバス事業者であり、お客様の命を預かる立場にあります。報道等でよく取りあげられるバス運転手の健康起因による交通事故として、最も多いとされているのが血管に関する心臓や脳の疾患です。

そして高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常など、いわゆる生活習慣病に起因してこうした疾患が引き起こされやすいことがわかっています。バスに乗車していただくお客様と運転手自身の大切な命を守るために安全運転を心がけることは大前提ですが、疾患の早期発見や治療を行なうことも重要であると感じています。

健康意識アップを目指しオリジナル健康通信を配信

ーー健康経営の取り組みとして「健康通信」を作成されているそうですね。どのようなものなのでしょうか。

松川:健康通信は健康経営施策のなかでも工夫して取り組んでいるものです。従業員自身に健康意識を持ってもらうため、健康経営に取り組み始めた頃から配信しています。一般のお客様にも見ていただけるように、当社のホームページにも掲載しています。

年4回ほど配信していて、保健師さんや管理栄養士さんにもご協力いただき、食を中心としたテーマで当社オリジナルの内容にこだわって作ってきました。

オリジナルを重視するのは、あり合わせの資料を毎月渡されても従業員がしっかり目を通す気にならないと思うからです。従業員一人ひとりに健康に関心を持ってもらうことを目標としているため、知識をわかりやすくかみ砕いた健康通信を作成しています。

渡部さん(以下、渡部):ドライバーは不規則な生活リズムになりやすく、食生活は非常に大切です。健康的な食生活には家族の協力も必要不可欠ですから、家に持ち帰ってご家族で読んでもらえるように、小学校の健康だよりのようなイメージを目指してデザインしています。

今年(2023年)2月には、正月太りや冷え性解消につながる食材についての情報を盛り込んで作成しました。

ーー健康通信の作成を通じて、ご自身でも気をつけようと思われたことはありますか?

松川:ドライバーの食事費用の一部を会社で負担しているためレシートを見る機会があるのですが、カップラーメンなど栄養面に偏りのある食事をしている方が多くいたんです。

そこで調べてみると、コンビニ食でも選び方によっては健康的な食事が摂れることに気づきました。

渡部:健康になりたいと常日頃思ってはいますが、自分自身も行動にはなかなか移せていませんでした。でも、栄養士さんや協会けんぽさんから資料をいただいて健康通信を作成していくうちに、取り組みやすいものが意外とあることに気づきました。

私が取り組みやすいと思ったことはほかの社員にも参考になると思いますので、資料を自分のなかで噛み砕いて記事を作っています。

管理職従業員へのアプローチも

ーーほかに取り組まれていることはありますか?

松川:健康診断の受診率は100%で、睡眠中の無呼吸を予測するSASスクリーニング検査、心臓や脳の血管に異常がないかを調べるための脳MRI検査、心臓から分泌されるBNPというホルモン値を計測する血液検査も実施しています。

また、最近は管理職従事者に人間ドックを受診してもらっています。さまざまな検査を通じて健康について正確に理解し、従業員の健康維持と改善が必要不可欠であることを再認識して指導に役立ててもらうためです。

一般の従業員に対しても、婦人科検診などのオプション費用の負担や、インフルエンザワクチンの定期接種費用の負担などを行なっています。

ーー健康経営優良法人の認定を5年連続で取得されていますが、取り組みを進めるうえで大変だったことはありますか?

松川:以前は乗務員研修の際に外部講師を招いて体操教室を開催するなど、健康意識を改善するための取り組みを行なっていました。しかし今はコロナ禍で人が集まる機会自体が減っています。当社は各地に営業所がありますので、統一感を持って健康意識を醸成する難しさは感じています。

ただ、費用負担の効果もあり、検診時のオプション検査を追加する従業員が増えました。問診票を見ても運動に取り組んでいる人がどんどん増えてきていて、従業員の意識は変わってきていると感じています。

「実行性」と「実効性」が大切。今後もきっかけ作りを担いたい

ーー今後の展望などありましたら、お聞かせください。

松川:健康には日々の積み重ねが大事ですから、まずは現在の取り組みを継続していきたいです。また、当社では実際に行動を移せる「実行性」と、実際に効果がある「実効性」を大切にしています。従業員が自分の意思で行動に移せるようにきっかけ作りとなるサポートを継続していきたいと考えています。

渡部:今後は健康通信の配信頻度を上げていきたいです。また、健康診断などのデータも参考に、より当社の従業員に合った情報を配信していきたいと考えています。

ーー健康経営に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

渡部:健康に関する情報を発信していくうえで心がけているのは、「頭に入りやすくする」ことです。例えば文章だけがたくさん書いてある読み物は、あまり読みたくならないと思います。

社内に貼っているポスターも、パッと目に入って内容がスッと頭に入るように工夫して作成してきました。一人ひとりの健康につながるように、今後もきっかけ作りに取り組んでいきたいです。

松川:まずは健康経営優良法人の認定取得を目標にする、という企業様もあると思います。ただ健康経営においては認定取得に限らず、働く人の健康を考えることが大切です。

認定制度への申請は敷居が高く、健康経営に踏み出せないという場合もあると思います。しかし意識していなかっただけで、以前からの取り組みが健康経営につながっていることもあります。

できることをコツコツ増やしてブラッシュアップしながら積み重ねるつもりで、まずは最初の一歩を始められてみてはいかがでしょうか。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社桜交通

インタビュアー:青柳和香子

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