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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営で社内のコミュニケーション活性化!株式会社岐阜新聞社にインタビュー

地域に根ざした情報を届ける「株式会社岐阜新聞社」

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社のおもな事業について教えてください。

浅野さん(以下、浅野):当社は1881年(明治14年)に創刊した岐阜県に特化した新聞社です。最近では、紙面だけにとどまらず電子新聞としてデジタル分野でもニュースを配信しております。

また、新聞発行事業以外でも「岐阜オープンクラシック」というプロが出場するゴルフ大会や「ぎふしんウィメンズラン」といったマラソン大会などスポーツイベントを主催しており、地域の交流や活性化に取り組むことで岐阜県の皆様に親しんでいただけるような活動をしております。

約50年前から実施している県民の皆様が参加いただけるウオーキングイベントや長良川河畔の清掃活動など、健康増進や環境保全に関わる事業にも積極的に取り組んでいます。

ーー2022年に健康優良法人の認定を取得されていますが、健康経営に着目するきっかけは何かあったのでしょうか?

浅野:最初は健康経営という言葉も知らなかったのですが、紙面で岐阜県内の企業が健康経営優良法人の認証を取得したニュースが取り上げられた際に、営業部署の方から「うちの会社でもやってみては」という声があがりました。

これをきっかけに、健康経営について詳しく調べ、知れば知るほど良い取り組みだと感じました。会社にとっても、従業員にとってもプラスになることが多い活動だという印象を持ちました。

健康経営で局を超えたコミュニケーション活性化を目指す

ーー健康経営に取り組み始めた当初、健康課題はありましたか?

浅野:当社には、編集、総務や営業、事業などいろいろな局がありますが、日頃から局を超えたコミュニケーションがあまり取れていないと感じていました。また、総務局からの健康に関する声かけや健康診断の受診の奨励には応じてくれていましたが、健康意識が高いとはいえませんでした。

保健指導の対象者もそれなりの人数がおりましたので、根本的な生活習慣の改善など予防に関する施策の必要性も感じていましたね。健康診断も受けっぱなしではなく、その後の再検査まで受けてもらい、健康課題を自分ごととして向き合うきっかけにしてほしいという思いもありました。

健康経営を通して、コミュニケーションの活性化や健康意識の醸成など、広範囲の取り組みにつなげられたらという期待も大きかったですね。

ーーどのような体制で健康経営に取り組まれているのですか。

浅野:最初は総務局として私の担当業務となっており、ほぼ一人で対応をしていたのですが、これは社ごとにしなければ取り組みの意味がないなと感じ、毎月実施している安全衛生委員会に持ち込むことにしました。

安全衛生委員会のなかに、健康経営委員会を設ける形でいろいろな健康課題を産業医の先生やメンバーと話し合い、課題の解決に向けて取り組んでいます。

カフェスペースの設置からスタート

ーー具体的な施策についても教えてください。

浅野:健康経営を始めて、最初に取り組んだのが社員食堂にカフェスペースを設置したことです。自由に休憩をとってもらえるよう椅子とテーブルを置いて、当社の新聞や無料で飲めるコーヒーマシーンも導入し、いつでも休憩をとってもらえる場所を整えました。

また、ホワイトボードを設置し、サークル活動のお知らせなど掲示などにも活用しています。このカフェスペースがコミュニケーションの場として役立っていますね。

また、コロナ禍前ではありますが、社内コミュニケーション活性化の取り組みとして、社員のお子さんに職場見学に来ていただく親子イベントやハロウィンパーティーも実施しました。

ハロウィンパーティーは、局を超えたコミュニケーションの場になればと企画したもので、夜勤の方も参加できるよう夕方からのスタートにして、役員や関連会社の方も参加するなど盛況に終えました。希望者が一発芸などの出し物をしたり仮装をしたりと、局や役職を超えて会社が一体となって楽しめました。

健康経営に取り組み始めた頃は、このように「何でもできることからやってみよう」という感じでしたね。

若手社員の離職を防ぐメンタルケアにも注力

ーーその他の取り組みについてもお聞かせください。

浅野:一時期、立て続けに若手社員が離職したことがありました。心の不調から休職や離職となるケースもありました。そこで、メンタルケアの取り組みとして入社3年目までの方と社会人採用で入社された1年目の方を対象に面談を実施しています。

業務に関する面談ではなく「しっかり休みは取れているか」「帰宅は遅くなっていないか」「睡眠や食事のバランスは問題ないか」など、メンタルや生活に特化した面談です。

総務局が聞き取りをするとなると人事に影響するかと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、そういった目的ではないことをしっかり説明した上で、気軽に相談や情報共有をしてもらえるよう心がけています。

3年間同じ担当者が面談をするので、関係性もできてリラックスした状態で話ができるのではないでしょうか。面談で把握した内容で気になるところがあれば、本人の了承を得て所属部署とも共有し、早めに対応できるよう体制を整えています。

また、管理職向けにラインケア研修を実施し、ともに働く社員のケアや支援方法も学べるようにしています。若手社員の早期離職を防ぐ目的ではありますが、離職はネガティブな理由だけではありませんので、新たなキャリアにチャレンジしたいという方の状況も、面談を通してキャッチアップすることで会社として良いサポートができるのではと考えています。

なるべく社員本人の意向に寄り添いながら、会社で長く快適に働いていくための必要なサポートをするというスタンスですね。

健康経営は会社を巻き込むことが大切

ーー運動習慣や食生活に関する施策はありますか?

浅野:運動習慣の定着を目的に「D部(デーブ)」というダイエット部を立ち上げて月に1回ウオーキングイベントを実施しています。岐阜県が提供しているウオーキングアプリなどを入れてもらって毎月の平均歩数をランキングで競うイベントです。

当初はフルネームでの参加として順位を社内で公表していましたが、順位を付けられることに抵抗があるという声があがり、上位者のみの発表に変更しました。ですが、それでは上位者以外はなかなか関心を持ってもらえないということで、ニックネームで参加可能にすることに。ニックネームでのランキングであれば、発表にも抵抗はないため、会社内で相対的な自身の運動量を把握することに活用してもらっています。

順位が出ることでやりがいにもつながりますし、社員の要望に合わせて取り組み方はいろいろと改善をしながら継続できたらと思っています。

食生活についても、社員食堂で小鉢をつけた野菜中心のメニューを提供しています。また夜勤の社員も昼間と同じバランスの良い食事が摂れるようにお弁当を手配するなど取り組んでいますね。

ーー担当者として健康経営に取り組むなかで、苦労したことや印象的だった出来事はありますか?

浅野:社員に対しても経営層に対しても健康経営を自分ごと、会社ごと、としてとらえてもらうことは大変だったと思います。会社としても「どんどん進めて」というわりに関心が低いといいますか、現場任せになっているところがありました。

担当者として、どうやって周りを巻き込んで「健康経営」に興味関心を持ってもらえるのか、いかに企業価値に影響するかを認識してもらうかは悩みましたね。もちろん理解はいただいているものの、積極的に進めていこうという機運を作り出すことが難しく感じました。

今では、地道な活動が少しずつ会社に根付いてきたように感じますし、私だけではなく総務局のメンバーや安全衛生委員会と連携することでコミュニケーションも増えて、取り組みやすくなりました。ハロウィンパーティーなどのイベントも含めて、健康経営の取り組みが社内のコミュニケーションにつながったことが印象的ですね。

今後は個々の健康課題に対するバックアップの充実を

ーー今後、注力したい取り組みはありますか?

浅野:女性の健康課題や働く環境の整備に取り組んでいきたいと思っています。全体の女性社員の割合は少ない方ですが、子育てをしながら働く社員も多くおりますので、そういった方に向けて何かできることを考えています。

また、女性の育休取得はほぼ100%ですが、男性の育休取得が少ないところもあるので。男性の育休取得勧奨も行なっていきたいですね。そして、女性特有の疾患に対する検査の補助や禁煙の補助など、もう少し手厚いバックアップができるといいと思っています。

ーー最後に、健康に関心のある方にメッセージをお願いします。

浅野:難しく考えてしまいがちですが、簡単なことから取り組めるのが健康経営だと思います。当社で最初に取り組んだことも「カフェスペースを作る」ことでした。本当に小さな取り組みでも、健康につながっていくと思うので、小さなことからコツコツと始めてみることをおすすめします。

例えば、普段エレベーターを使うところを階段にしてみるとか。無理せず継続できるものから取り組むことが大事だと思います。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社岐阜新聞社

インタビュアー:朝本麻衣子

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