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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営で豊かな人生を送るためのサポートをしていきたい。愛三工業株式会社にインタビュー

車の部品を製造する愛三工業株式会社

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の沿革やおもな事業内容について教えてください。

高橋さん(以下、高橋):当社は愛知県大府市に本社を構える自動車部品のサプライヤーとして、自動車メーカーに部品を納めている会社です。グループ全体の経営ビジョンとして「VISION2030 この手で笑顔の未来を」を掲げ、事業を通して豊かな社会づくりに貢献することを目指しています。

車の部品をつくる製造業のため男性従業員の割合が高く、女性従業員の割合は全体の13%ほどとなっています。

ーーありがとうございます。御社は健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されていますが、健康経営に取り組み始めたきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

濱屋さん(以下、濱屋):平均勤続年数が20.7年(2021年度実績)、平均年齢も42.8歳(同上)と高く、年々上昇している状況です。

そのなかで従業員が心身ともに健康で、長く働き続けてもらうためには、健康維持・増進のサポートが会社としても重要であると考え、2018年に健康宣言を制定してから本格的に健康経営に取り組み始めました。

生き生きと働きがいを感じながら、従業員の一人ひとりが活躍できる企業を目指しています。

禁煙チャレンジを実施

ーー従業員の皆さんの健康状態について、改善が必要だと思われていた点はありますか?

濱屋:当社の傾向では、「喫煙率が高い」「人間ドックの受診率が低い」「女性の健康問題に対するリテラシーが低く、理解が浸透していない」の3点が課題であると感じていました。

そこで喫煙率を下げるために、まず「愛三ダービー(禁煙チャレンジ)」を実施しました。この取り組みでは、禁煙に挑戦する喫煙者の方を応援するために、5人のサポーターを含む6人1チームで挑戦してもらいます。

開催期間の5週間のなかで禁煙日数を競い合うイベントですが、最終的には順位も発表されるため、挑戦者同士で競い合っていたり、サポーターの方が「今日もがんばれ!」と声をかけていたりと、挑戦者だけでなく社内を巻き込んで開催することができました。

制度を見直し受診環境を整備

ーー人間ドック受診率を向上するために、どのような取り組みをされましたか?

濱屋:若い頃から人間ドックの受診を意識してもらうため、健康保険組合と協議し、2021年に人間ドックの対象年齢を40歳以上から35歳以上に引き下げました。

従業員に人間ドックを受診しない理由を確認したところ、「費用を半分負担しないといけないこと」がネックだとわかったので、受診料の全額を会社と健康保険組合で負担することとし、従業員は費用負担なく受けることができるようにしました。

また「受診するために休みを取得するのが難しい」という声もあったことから、人事部と協議を重ねて「人間ドック休暇」を新設しました。このように、制度の見直しによって受診しやすい環境を整えています。

これらの取り組みの結果、これまで60%台だった受診率が、70%台まで上昇しました。新制度の告知が直前になってしまったにも関わらず、このような結果が出たことをうれしく感じています。

受診率の向上には、環境整備だけでなく健康への意識向上も必要です。そのために、eラーニングの実施や人間ドックで病気が見つかった方のインタビューを社内イントラに掲載するなどの取り組みも展開しています。

女性医師によるセミナーを開催

ーー女性の健康問題に対するリテラシー向上や、理解を浸透させるためにどのような取り組みをされましたか?

濱屋:第一段階として、女性の健康課題を知るセミナーを社内で実施しました。昨年は、女性医師の方に「不妊治療と更年期障害」をテーマとして話していただきました。

女性の健康課題は性別問わず共通の課題であるとの認識が、理解の浸透にもつながっていくのではないかと考えています。

従業員の声をもとに施策を展開

ーーその他にはどのような施策に取り組まれているのでしょうか?

濱屋:当社では毎年10月と11月を健康チャレンジ期間と称し、全従業員が健康に注目してもらう期間としています。例えば、2021年には体力測定を実施しました。自分の体の状態を確認することで、自身の健康について考えてもらうきっかけを作っています。

またアンケートを取ると「良質な睡眠をとる方法を教えてほしい」という声が多くあったことから、昨年は「睡眠」をテーマとして設定。寝ている間に貼り、精神発汗量を測定することで「熟睡できているのか」を調べることができる安眠チェッカーというシールを配布しました。

そのシールを利用して自分の睡眠状態を確認し、自身の改善ポイントを3週間継続してチェックすることで、睡眠改善に役立ててもらいました。

ーー従業員の方の声からテーマを設定されたのですね。

濱屋:そうです。健康診断の問診票の結果では睡眠の満足度は74%と高かったのですが、アンケートで確認すると「寝られていない」「疲れが取れない」といった声が多かったことから、アンケートで丁寧に従業員の意見を確認することは重要だと感じました。

高橋:健康推進グループは丁寧にアンケートを取ってくれる印象があります。予算や人数が限られるなかでも、従業員が課題と感じていることや困っていることに関する施策を展開することで、社内の理解が得られやすくなり成果につながっていくのではと思います。

信念を持ってとにかくやってみる姿勢が大切

ーー健康経営に取り組むなかで大変だったことはありましたか?

濱屋:どのような取り組みであっても、従業員から100%の合意を得られることはありません。特に禁煙の取り組みには反対の声も多く、大変だと感じましたね。

しかし、「反対の声は変革を起こすチャンス」といったように前向きに考えて、取り組みを進めてきました。さまざまな声はありますが、信念をもって、とにかくやってみることを大切にしています。

ーーお取り組みによる効果や従業員の方からの反響はいかがですか?

濱屋:禁煙の取り組みに対しては、数字として変化が出ています。2008年には2人に1人が喫煙者でしたが、2018年には3人に1人、現在は4人に1人まで減少してきました。人間ドックの受診率も70%台まで上昇しているので、自分の健康状態に意識が向いている人が増えているのではないかと感じています。

また健康に関するイベントが活発になるにつれて、「職場の風土が変わってきた」との声も増えてきました。それにともなって従業員のエンゲージメントが上昇し、業務の生産性向上につながっていくのではないかと期待しているところです。

健康経営で豊かな人生を送るサポートをしていきたい

ーー健康経営の今後の計画や目標をお教えてください。

濱屋:まず特定保健指導の対象者率を下げていきたいと考えています。2022年からは、35~39歳の従業員に対し若いうちから生活習慣をあらためてもらえるよう「プレ特定保健指導」という取り組みを始めました。

高橋:経営を深く結びつけ、各部署と協力しながら会社全体で健康経営の取り組みをレベルアップしていきたいと考えています。

ーー健康に関心のある読者の方や、企業で健康経営を担当されている方に向けてメッセージをお願いします。

濱屋:会社の「財」である従業員の健康をサポートすることで健康寿命を伸ばし、豊かな人生を送るための一助となればと考えています。

健康経営を進めることは企業の魅力となり、採用活動にもつながっていくと思います。従業員の健康を考えることで、会社に良い効果を与える健康経営を、たくさんの企業に取り組んでいただきたいです。

ーーお話いただきありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:愛三工業株式会社

インタビュアー:塩野実莉

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