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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

従業員のコンディションは事業価値に直結。メンタルケアを施策の軸に取り組むコムテック株式会社にインタビュー

コロナ禍が健康経営の体制を見直すきっかけに

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社のおもな事業について教えてください。

石田さん(以下、石田):弊社は東京都港区に本社がございまして、創設から48年になる会社です。おもな事業としては、BPO(ビジネス・プロセス・ソーシング)を提供しております。

具体的には、ITソリューションやバックオフィス業務、コールセンター業務などを当社にアウトソーシングいただき、お客様のビジネス課題を解決するとともに売上貢献のために事業を展開しております。

お客様がコアな業務に集中できるように、外部のリソースとして当社サービスを活用いただき、経営課題を解決してくためのソリューションを提案しております。

ーー健康経営を始められたきっかけを教えてください。

稲川さん(以下、稲川):当社はBPOを基盤にしている会社ですので、お客様先に従事する従業員が多く、従業員一人ひとりの健康状態を把握することが難しい状況でした。

人材が財産である当社にとって、会社側が主体性を持って従業員に寄り添った労働環境を整えることが非常に重要なことだと考え、健康経営を取り組むに至りました。2020年より3年連続で健康経営優良法人の認定を取得しております。

ーー健康経営を進めるにあたり、御社の健康課題と感じていた点はありますか?

石田:当社の8割の従業員がお客様先で働いています。この2〜3年はコロナ禍という状況下でテレワークに不安を抱える従業員も多くおりました。物理的にも精神的にも分断された労働環境下にある従業員に対して、一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションやマネジメントが難しい状況でした。

急激な労働環境の変化でメンタル不調を訴える従業員や、休職者が増加傾向にあり、コロナ禍のほか、社会的な背景も影響はあるかと思いますが、根本的な原因に丁寧に対応すべきだと感じました。

現場の従業員だけでなく、本社側の相談室を含めてコミュニケーションやケアが必要だったという点で健康経営の活動につながっていったと思います。

早めのケアが可能な体制に一新

ーーメンタルケアに注力されたのですね。具体的な施策について教えてください。

稲川:メンタル不調者が増えてきたことを受けて、メンタルケア専門の産業医とも提携し、指定のクリニックを紹介するなど、不調を感じたら早めに専門医とコンタクトが取れる体制を整えました。場合によっては、従業員相談室からクリニックにつなぐ施策も取り入れています。

石田:その他、全社研修としてメンタルヘルス研修も実施しています。新卒者向けに、年に数回実施していますね。不調を感じた際の対応やセルフケア、周りへの相談の仕方などメンタルケアについて学ぶことで、深刻になる前にケアができるのではと思っています。

ヘルスマネジメント検定というものがあり、そのなかにセルフケアとラインケアという考え方があります。ラインケアでは、管理職向けにメンバーに対するケアの方法を紹介しています。部下への声のかけ方をグループワークで学んだり、研修の前後で自身の認識の変化を振り返ったりするコンテンツです。

また、コロナ禍にオフラインで面談ができなくなった際に「面談時のほかにも、普段から健康のヒントになるような情報発信ができたらいいのでは」と考え、アンガーマネジメントやストレス対策などメンタルケアをテーマに研修や社内報で紹介しています。

ーー健康経営優良法人の認定を受けて、社内外で変化や反響はありましたか?

石田:当社の健康経営は、特に認定取得のための取り組みではありませんでした。取り組んでいることを申請したら認定をいただけたような形で。当社の場合、人材が事業に直結するためメンタルケアに重きを置いています。

社会情勢の変化、従業員の健康に必要な取り組みを考えたときに「メンタルケア」の優先順位が高かったこと、また業務内容としてもフィジカル面で負荷が高い業務ではないので、このような取り組みになりました。健康経営優良法人の認定は、当社の取り組みの副次的な効果だったのかなととらえています。

稲川:社内の変化としては、相談室の活動が徐々に認知されてきたことを感じています。今期、特にアンケート配信に力を入れており、一人ひとりにフィードバックをしたり、不調を感じている方にはコンタクトを取ったりしています。こういった活動が社内での認知を広げているのではないでしょうか。

全社で健康経営の取り組みについて発表する機会も増えましたし、現場のメンバーと接する機会が少ない管理職から「メンバーの面談を頼みたい」など、相談室宛に依頼がくるケースも増えました。

従業員の目線で寄り添うことが大切

ーー健康経営を進めるうえで心がけていることはありますか?

稲川:現在、従業員相談室のメンバーが5名ほどおりますが、年齢層が幅広く、それぞれのバックグラウンドも多様です。若いメンバーは新入社員のケアやフォローに回ることができますし、40〜50代の方ですと中堅層の対応ができます。育休中の従業員の復職に関する不安など、幅広い世代のフォローができるような体制をとっています。

また、メンバーの全員が現場の経験者ですので、相談を受けた際に人事目線ではなく、従業員に寄り添ったアドバイスやフォローができるのではと思います。

相談する側が「人事の人だから」という壁をつくらないよう気軽に相談してもらえたり、同じ目線で共感ができたりする環境を心がけています。

健康は常に「心」と「体」がセット

ーー健康経営の今後の計画について教えてください。

稲川:目標としては生産性の向上とエンゲージメントの向上を目指しています。現場が違ったとしても「コムテックで働いていてよかった」と皆さんに思っていただけるような会社にしていきたいと思っています。

具体的な取り組みとしては事務局でも検討段階ですが、来期も健康経営優良法人を取得できるよう、また少しでも順位を上げていけるような施策を展開していきたいですね。

石田:従業員とお客様の間に私たちのような「相談室」があることで、双方が良い形で循環する組織になれたらと思います。相談室のような取り組みは、健康経営優良法人の認定にかかわらず当社で長く取り組んできたものです。

「従業員一人ひとりのコンディションを整え、安定的な事業価値を生み出す」という当社のベースにある考え方をもとに、新しいことにも挑戦していけたらと思います。

ーー健康に関心のある読者の方や、企業の健康経営の担当者の方に向けてメッセージをお願いします。

石田:心身の健康を考えたときに、目に見えやすいのは体の健康だと思います。心のケアは、会社がどこまで踏み込むのかも難しいところはありますが、心と体の健康、どちらもそろうことで「良い労働環境」が実現すると考えています。

従業員一人ひとりが「この仕事をしていて良かった」と思える会社を目指して、今後も活動してまいります。

稲川:従業員の心と体の健康を促進することは、提供するサービスの質や新しい発想にもつながると考えています。時代の変化に合わせて自ら新たな価値を生み出していく、社会全体に影響を与える企業であるために長期的な目線で、従業員の健康課題にもアプローチしていきたいと思います。

ーー本日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:コムテック株式会社

インタビュアー:朝本麻衣子

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