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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

フィットネス習慣で、地域と従業員の健康づくり。株式会社レフコにインタビュー

初心者に優しい「フィットネスクラブレフコ」

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。

山下社長(以下、山下):当社「株式会社レフコ」は、株式会社ヒカリグループホールディングスを純粋持株会社とするフィットネスクラブ運営会社です。もう一つ、グループ会社として建設請負業の「株式会社ヒカリ」があります。

建設業とフィットネスクラブ運営をしていた株式会社ヒカリの組織再編が2年前にあり、分社化して当社が設立されました。もともとは、1994年に東京の表参道で創業した独立系のコンサルティング会社が発祥でした。現在は、西日本(兵庫県から熊本県まで)に9つのフィットネスクラブを展開しており、社員とアルバイトスタッフを含め、200人強の従業員がいます。

レフコのコンセプトは「初心者に優しいクラブ」です。欧米に比較すると日本におけるフィットネス参加人口はまだまだ少なく、これを拡大するためには未参加層の開拓が必要です。

そのため、当社は「フィットネスクラブが多い都心よりもまだ少ない郊外」「運動好きなスポーツマンやアスリートよりも運動が苦手な高齢者や低体力者」「一部の富裕層だけではなく一般家庭の方々」をおもなターゲットにしています。こうした方々が安心して入会でき、長期的に継続できるようなクラブづくりを目指しています。

6年連続「健康経営優良法人」の認定取得

ーー健康経営を推進され始めた経緯について教えてください。

卓さん(以下、卓):グループ再編以前、株式会社ヒカリとして事業展開していた2018年に初めて「健康経営優良法人」の認定を受けました。私は当時管理部門に所属していまして、会社全体にかかわる業務や施策を担当していましたので、健康経営優良法人認定に興味をもちました。

以前から定期健康診断は受診率100%で、毎日のラジオ体操で、感染症対策、長時間労働の改善といった取り組みも、健康経営に当てはまるのではないかと考えて申請しました。これまで、5年間連続で健康経営優良法人の認定を受けています。

ーー従業員の方の健康に関して、改善したいと思われたことはありましたか?

卓:運動習慣があまりない従業員が多かったため、生活習慣病を懸念していました。建設現場に配置された従業員はその現場ではある程度体を動かしますが、仕事以外で運動をする者は多くありません。また、図面を書くなど内勤業務をする従業員は特に運動不足になりがちです。

山下:フィットネスクラブレフコではフロント業務、スタジオでのレッスン、ジムでの指導などさまざまな業務があります。日によって業務内容のバランスは異なるものの、基本的に従業員は全て担当しますので、レフコに勤務する従業員は毎日必ず運動する機会がありますね。

お客様にとって説得力のあるスタッフであるためにも、仕事の事前準備として、各筋肉の効果的な鍛え方などを自ら施設を使って勉強する必要もあります。

休館日の店舗を従業員に開放し、運動を促進

ーーこれまで実施されてきたお取り組みについて教えてください。

卓:大きく分けて3つの取り組みを行なっています。まず生活習慣病予防対策として、運動機会の増進です。株式会社ヒカリをレフコの法人会員とし、従業員がいつでも利用できるようにしました。

また、通常営業日に利用できない従業員のため、レフコの休館日である木曜日の17時以降も店舗を開放し、できるだけ運動する機会を増やしています。オフィスがレフコのすぐ近くですので、移動の時間や手間がかからず利用できます。

ーーお二人も御社のジムをよく利用されますか?

卓:実は私もあまり運動習慣がなかったのですが、社長に誘われてよく利用するようになりました。ヨガプログラムに参加することもありますが、最近はGroup Fightという格闘技系プログラムにも挑戦しています。最初、私にはハードだと思ったのですが、続けるうちに良さがわかってきました。

山下:最初はヨガやストレッチなどから始めるのが一般的ですが、いろいろなプログラムを知ってもらうためにあえて高負荷なものを勧めました(笑)。いろいろな従業員に声をかけていますので、卓以外にももっと利用してほしいですね。

コミュニケーション機会の創出も工夫

ーーほかのお取り組みについても教えてください。

卓:2つ目はコミュニケーションの促進です。全国に店舗が増えるに従い、従業員どうしが顔を合わせて話す機会が少なくなっています。そのため、定期的に社内運動会や社員旅行などの交流イベントを設けてコミュニケーション促進を図ってきました。

ただコロナ禍でその機会が少なくなりましたので、現在は1on1ミーティングを実施したり、ES(従業員満足度)相談室を設けたりして、できるだけコミュニケーション機会をつくるようにしています。

3つ目は適切な働き方の実現です。残業を事前申告制とし、ノー残業デーを設定しました。また、今後は建設部門に関して毎月第2土曜日を休日として定める予定です。こうした取り組みが仕事と家庭の両立につながればと考えています。

ーー残業を事前申告制にしたことで、何か変化はありましたか?

卓:以前は出社・退社の打刻以外に管理をしていなかったのですが、この数年でそうした状況を見直し、制度を整えてきました。残業の事前申告制は、自分自身で時間管理をするという意識付けに役立っていると思います。

当日の残業は上職にフローで申請するため時間もかからずに申請ができますし、退社時間を決めて事前に申請すれば、その時間までに終えなくてはという意識につながります。

ーー感染症対策のサポートも実施されているそうですね。

卓:インフルエンザの予防接種費用をすべて会社が負担しています。会社が指定した病院で就業時間中に受けられるのもポイントです。健康相談も専門の担当者がいて、定期的に実施しています。

健康保険組合から事例紹介の依頼も

ーー取り組みをされてきて、難しいと感じることはありますか?

卓:定期健康診断は全従業員が必ず受診していますが、その後の再検査受診の促進には苦労しています。健診結果は個人情報ですから、どこまで会社が介入するのかが難しいところです。ただ該当者へのメールは毎回送付していて、再検査を受ける日程もこちらに知らせてもらっています。

ーー健康経営の効果を感じるのはどのようなときでしょうか?

卓:以前は社内であまり取り組みが認知されていませんでしたが、健康経営優良法人に認定されたことがきっかけで、健康に対する意識が変わってきました。また、健康保険組合から「何年も連続で健康経営優良法人の認定を取得されているので、取り組み事例を発表してほしい」という依頼をいただき、事例の発表を行なったこともあります。

健康経営優良法人の申請をした初年度から認定されたことで、取り組みに対する自信につながりましたし、それがきっかけでコミュニケーション不足という課題も見つかり、1on1ミーティングなどの新たな取り組みも始められました。

フィットネスは生活に活力をもたらす

ーー健康経営によって、特に変わったと思われる従業員の方はいらっしゃいますか?

卓:一番変わったのは、私自身かもしれません。先ほどもお話したとおり、以前は体重もそんなに変わらないということもあってあまり運動をしていませんでした。

でもジムで運動を始めたことで、全身の筋肉を使うようになって肩こりが減り、とても快適です。トレーニング後は筋肉痛が出ますが、その後は全身の凝りがほぐれたような感覚になります。ヨガやストレッチもリラックス効果がありますし、始めて本当によかったです。

また、普段あまり運動をしていなさそうな建設部門の現場監督が木曜日のジム開放時間を活用して運動しているのを見ると、とてもうれしいですね。

山下:内勤業務だと一日に1,000歩も歩かないと思うのですが、60分のレッスンに参加すれば4,000歩ほどは歩くことになります。そうなると一日5,000~6,000歩ぐらいは歩くようになります。それを続けると基礎代謝が上がり、太りにくい体質に変わっていきます。

これは肉体だけの変化ではなく、生活全体が明るく、活気に満ちてくると思います。会社と自宅の往復だけだった生活にフィットネスクラブでの運動が少しでも加わると、人との新たなつながりもできますし、新たな人生の時間ができていきますから。知らず知らずのうちに生活に活力が出てくると思います。

今後はより働きやすい環境整備にも注力

ーー今後の展望をお聞かせください。

卓:育児中・介護中の従業員、高齢の従業員が一緒に働く環境になってきていますので、今後は柔軟に勤務状況を選べるように、働きやすい環境を整えていくことが目標です。

すでに希望に沿った勤務形態をとれるよう進めていますが、「くるみん」認定など具体的な指標となる認証も取得できるように整えていきたいですね。

ーー健康に関心のある読者の方へメッセージをお願いします。

山下:会社からの押し付けでは、なかなか健康経営の成果につながらないと思います。従業員自身が健康に関心をもち、自発的に行動することを目指した活動・システムが必要ではないでしょうか。

実は最初、私は卓をなかば強引にレッスンに誘いました(笑)。でもそのように健康意識のある人がほかの人にも広げていくこと、「みんなで健康になろうよ」という意識の輪を少しずつ広げていくことが、本質的な健康経営につながっていくのではないかと考えています。

また、肉体の健康だけではなく精神の健康も非常に重要です。コロナ禍で採用活動があまりできなかった時期もあり、当社の店舗ではジェネレーションギャップが大きくなっています。管理職と一般従業員の年齢差によって、双方が情報の共有に課題を感じることもありましたので、コミュニケーションのフォローアップもしていきたいと考えています。

健康経営をするうえでは、待遇の改善などだけでなく、そうした職場環境へのアプローチも大切にされるといいのではないでしょうか。

卓:店舗においてのメンタルケアは、個々の職場だけでなく会社全体の職場環境の整備がポイントになるかと思います。働く以上はみんなで健康的に楽しく働きたいですから、そうした裏方のサポートもしっかり注力していきたいです。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社レフコ

インタビュアー:青柳和香子

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