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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

幸せの土台は、安全と健康。株式会社美警にインタビュー

社員と家族、会社の幸せをつくるのは「健康」

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容について教えてください。

三上社長(以下、三上):当社は北海道の釧路市でおもに交通誘導警備、雑踏警備、市役所・病院・学校等の施設警備を中心とする警備業を営んでいます。釧路市音別でふきの加工工場も経営しており、現在の従業員数は122名です。

ーー健康経営を始められたのには、どのような経緯があったのでしょうか。

三上:警備業で当社が主力としているのは屋外の交通誘導警備ですので、現場ごとに移動が生じるなど不規則な生活が多いという特徴があります。また、独身男性社員が多いということもあり、おにぎりやカップラーメンなど、炭水化物中心の昼食が多く、不規則で偏った食生活で肥満社員が増加していました。

その他、定期健康診断の事後措置への関心が低いこと、高齢社員の既往症が重症化し、退職者が増えたこと、メンタル不調・人間関係の希薄さといった課題もありました。

会社の将来を深く考えた結果、経営の根幹となるのは社員の安全と健康であり、それが経営の本質だと考えました。

特に当社のような労働集約型の企業では、働いてくれる社員の心と体が大事ですから、そこに本気で向かっていくことこそが社員とご家族を守り、会社の繁栄にもつながり、みんなが幸せになれると思い、健康経営の取り組みを始めました。

全社員の「健康カルテ」を作成

ーー推進体制についてもお聞かせください。

三上:推進体制において当社がラッキーだったのは、2020年頃に専務の工藤が入社してくれたことです。健康に関する社事情を伝え、ともに健康づくりを推進してきました。

また、経理などの事務業務を担当している女性社員の皆さんにも、健康アンバサダーとして活躍してもらっています。

ーー実際のお取り組みについても教えてください。

三上:まず専務が社員全員の健康診断結果を持って釧路市役所に駆け込み、健康推進課に相談をしました。そして急を要する短期的な課題、じっくり時間をかけてやっていく長期課題に分けて取り組みを開始することにしました。

まず行なったのは、生活習慣病・疾病予防を目的とした全社員の健康カルテ作成です。一人ひとりが抱えている健康課題がわかるよう色分けし、一覧できるようにしています。経営者としても危機感を持つようになりましたし、個別健康アドバイスができるようになりました。

例えば、血圧に問題を抱える社員には会社から血圧の測定器を貸し出し、毎朝必ず血圧をチャットで報告してもらっています。毎日の数値をもとにやりとりをしていると、令和版の交換日記のようだと感じています。

また、コロナ禍で会社に立ち寄らない社員も多くなりましたので、オンライン面談を始めました。肥満に悩む社員が前日の夕食メニューを女性社員に送り、みんなで生活習慣病予防のためにできそうなことを楽しみながら考えるといった場面もあります。

地元野菜を使った「野菜たっぷりイベント」

ーー野菜を使った取り組みもされているそうですね。

三上:食生活改善のために、日常に野菜を取り入れていく取り組みを行なっています。毎月「野菜たっぷりイベント」と題して、健康メニューを考案しています。

工藤専務(以下、工藤):先ほど三上からお話したように、炭水化物ばかりの昼食が課題でした。当初、一日に必要とされる野菜摂取量とはほど遠い状況で、そうした生活習慣は健康診断結果へ顕著に表れます。

三上:専務が中心となり、女性社員、そして専務の前職時代の調理師さんスタッフといった外部パートナーの方々も巻き込んでメニューを考案し、社内で調理しています。

ーー栄養バランスがよく考えられたメニューなのですね。どのような食材を使うのでしょうか。

三上:メニューに対するこだわりは、当社が手がけている釧路市音別産のふきを使うこと、そしてほかの地元業者さんが製造・販売されている菊芋という健康食材を使うことです。地元野菜のコラボメニューを作ることによって、少しでも地域活性化につながればと考えています。

調理したものを、釧路市健康推進課の皆様にも召し上がっていただくことがあります。栄養についてフィードバックをいただいて、女性社員さんたちが「どうしたらもっと美味しくて健康に良いメニューを作れるか」と一生懸命考えて作ってくれています。

また、毎回のメニューにわかりやすい栄養成分表示をつけています。少しでも健康リテラシーアップにつなげることが目的です。

楽しくできる減量ダンスで運動促進

ーーほかのお取り組みについてもお聞かせください。

三上:運動習慣をつけてもらうため、喫煙スペースを移設して空いたスペースで、のびのびと運動ができるようにしました。

昼休みにYouTube動画を観てダンスを楽しむ社員がいたり、現場から帰ってきたほかの警備員さんが一緒に踊りだしたりして、運動に対する前向きな空気ができていっています。

健康経営を進めた3つのポイント

ーーこれまでの健康経営を振り返って、いかがでしょうか。

三上:当社における健康経営推進のポイントは3つあると思います。まず推進リーダーである専務の存在です。経営者の意思に共感し、実践してくれる推進リーダーの存在が当社にとっては必要条件でした。

次に、利害関係者の方々からの支援です。自治体関係者など、専門のリソースをお持ちの皆さんへとにかく発信し、コミュニケーションを取ることで共感を得て、たくさんの方が応援してくださいました。

そして3つ目は、内勤業務をしている女性社員の戦力化です。健康アンバサダーとしてしっかり貢献してくれています。人材のポテンシャルを最大化できたこの点も大きかったと思います。

ーー社員の皆様の健康について、どのような効果や変化がありましたか?

三上:まだまだだと思っていますが、一定の成果が出ています。例えば2021年10月から2022年10月の1年間で、12キロ~28キロの減量に成功した社員が6名いました。これは社員全体の約5%です。また禁煙成功率も、2022年1月から7月にかけて、2.1%上昇しました。

実際にうれしかったのは、昨年(2022年)入社してくれた現場社員さんたちから「この会社は皆さんすごく元気でびっくりした」「社員を大切に大事にしているんですね」と言われたことです。

健康経営優良法人の認定一年目に実施した保険会社のアンケートでも、「経営者は社員の健康を大事にしようとしているか」という設問に対して、約80%の社員が「とてもそう思う」「そう思う」と回答しました。

こちらの思いが伝わり、社風にも活気が出てきたということなのではないかと思っています。社員との健康に関わるような会話が増えたり、コロナ禍であまり会えないなかでも野菜たっぷりメニューを笑顔で受け取ってもらえたりすると、通じ合えていると感じられます。

今後はより「巻き込む」取り組みを展開

ーー今後の計画や、注力されていくことがありましたらお聞かせください。

三上:ここからは少しアクセルを踏んでいきたいと思っています。まず、全部署の社員の参画意識を高め、自然と巻き込んでいくために、あえて復活させた広報紙を活用して健康づくり事例を広報していく予定です。

交通警備の現場、市役所やコミュニティセンターなどさまざまな場所に社員がいますから、健康のために気を遣っていることなどを取材して、紹介しようと考えています。

2つ目は、社員の行動変容の定量化です。これまでの取り組みによって社風は変わってきましたし、ある程度の成果も出ていますが、今後は定量的な指標にも寄せていきたいと考えています。「野菜たっぷりイベント」に対するアンケートなどを実施して効果を可視化することで、取り組みをよりブラッシュアップしていく予定です。

また、2024年の1月には社員に一年間の健康目標を立ててもらおうと思っています。会社側で「減量」「禁煙」などいくつかテーマを設定し、「自分はこれにしよう」と選ぶ方法にするつもりです。

当社では毎年、短冊に一年の抱負を書きますので、それも使って全員の顔と目標を広報誌で紹介したいと思っています。健康増進を強制するわけではないのですが、一体感を持ち、巻き込んでいくために共通項目のなかから選択形式で取り組むのが良いのではないかと考えました。

工藤:現在、国立研究開発法人の禁煙プログラムにモデル企業登録もしています。当社で禁煙を強制する予定はありませんが、喫煙がさまざまな疾病と関連しているのも事実です。社員に一日でも長く働いてもらいたい当社としては、「気持ちはわかるけど体も大事にしよう」と働きかけていければと考えています。

社内で健康講話を開催した際、社員に健康寿命についても話をしました。20代から70代まで、いろいろな年代の社員への講話だったのですが、特に40代以降の社員は健康の重要性を自分ごととして感じてくれたように思います。

ーー健康に関心のある方やこれから健康経営に取り組まれる方へメッセージをお願いします。

工藤:釧路市健康推進課の皆さんが寄り添ってくださったことが、当社にとって大きかったと思います。自分たちだけで解決できないことは社会資源やデバイスなどを活用したり、さまざまな情報を活用したりしていくことも戦略のひとつではないでしょうか。

大きいことから始めようとするとなかなか進まないこともありますから、できることからこつこつと進め、人の手も借りて取り組んでいくのをおすすめしたいです。

三上:釧路地域の企業経営者さんとお話する際に、当社の健康経営について話をしたら、3社ほど「うちも取る」とおっしゃって、実際に健康経営優良法人の認定を取得されました。中小企業の経営者が動き出すことによって医療費の削減にも貢献できますし、それ以上に社員とのつながり、親密度が増すという実感があります。

当社のような労働集約型事業では、社員一人ひとりが資産であり、資本です。そして全ての人間にとって安全と健康が幸せの土台だと思いますので、その土台がぬかるんでいては豊かな人生が積み上げられません。当社は安全を提供する会社のため特にそうですが、この土台はどの業界でも共通するのではないでしょうか。

働く人の安全と健康が必ず会社を成長・発展させると信じ、これからも健康経営を進めていこうと考えています。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社美警

インタビュアー:青柳和香子

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