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野菜不足って何が問題なの?1日に必要な野菜の摂取量も徹底解説

毎日の食生活の中で十分な量の野菜を摂取できていないと感じている人は多いのではないでしょうか。野菜を食べる量が少ないと、身体にさまざまな影響が出てきて困ったことになりがちです。この記事では、野菜が不足するとどのような影響が出てくるのか、また必要量の野菜を食べるためにはどのようにすれば良いのかについて解説します。

1. 野菜不足が原因で引き起こされる症状

野菜を食べる量が少ないと、身体にどのような症状が出てくるのかを解説します。

1-1. 腸内環境が悪化する

野菜が不足すると、腸内環境が悪化してしまいがちです。人間の大腸内に生息している菌類は500~1000種類以上、100兆個といわれており、善玉菌、悪玉菌、中間菌の3つに分類できます。中間菌が悪玉菌のほうに傾いて悪玉菌の数が増えると、腸内環境が悪化して下痢や便秘になりがちです。善玉菌を増やすためには、善玉菌の餌になる食物繊維を取る必要があります。そして、食物繊維が不足すると便が固くなるため、排便が困難になったり切れ痔の原因になったりします。また、食物繊維と並んで野菜に多く含まれるビタミンも腸の健康を保つうえでは欠かせない栄養素です。ビタミンEは自律神経を整えるため腸の動きを良くする働きがあり、ビタミンBは腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。食物繊維やビタミン類を効果的に摂取できる野菜が不足すると慢性的な便秘や下痢になりやすくなるため、お腹の健康を保つのには野菜が必要です。

1-2. 肌が荒れやすくなる

野菜に多く含まれているビタミンや食物繊維は、人の体内で作ることができません。そのため、野菜を食べて摂取する必要があるのですが、ビタミンや食物繊維が不足すると腸内環境が悪くなってしまいます。便秘になると、老廃物が排出されず蓄積するため、肌の正常なターンオーバーを妨げてしまうのです。さらに、栄養素が腸内で吸収されにくくなるため、肌にも栄養が行き届かなくなってしまいます。肌の健康を保つといわれているビタミンCやA、B群が不足すると肌荒れを起こしがちです。ビタミンは、コラーゲンの生成や皮膚の健康を維持するためにも欠かせないため、不足すると肌荒れが起こりやすくなります。肌荒れはニキビや湿疹など顔に出るだけではなく、頭皮のかゆみやフケなどの原因にもなるのです。

1-3. 疲れやすくなる

野菜から摂取できるビタミンは、代謝を良くしたりエネルギーの生成をしたりするのに欠かすことができません。ビタミンが不足してしまうと、エネルギーの原料である糖質や脂質、たんぱく質が体内にあったとしても十分に機能させることが難しくなります。そのため、身体を動かすのにエネルギーが不足している状態になり、疲れやすくなってしまうのです。ビタミンBは疲労回復にも効果があるといわれているため、不足すると疲れがなかなか取れない、身体がだるいなどの症状が出てしまうことも少なくありません。エネルギーを生み出す手助けをするのはビタミンB以外にパントテン酸もありますが、これもブロッコリーやモロヘイヤなどの野菜に含まれている成分です。なんとなく身体が不調だと感じたときは、野菜不足が原因の可能性があります。

1-4. 免疫力の低下を招く

人間の体内では、酸素を利用してエネルギーを作る際に活性酸素が生み出されます。活性酸素は年齢を重ねると共に増えてきますが、他にも紫外線や喫煙、ストレスなど多くの原因で増えてしまいがちです。活性酸素は細胞を傷つけるため、老化やガンをはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こす原因となってしまいます。野菜に含まれるビタミンには抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を除去して細胞が酸化するのを防ぎ、免疫力を高めてくれるのです。また、ビタミンは血行を良くして身体の不調を修復する働きがあります。さらに、野菜に含まれているミネラルも、免疫細胞を作るために欠かすことができません。そのため、野菜が不足してしまうと免疫力が低下して風邪などを引きやすくなり、治りにくくなってしまいます。

1-5. 生活習慣病の要因となる

糖尿病やガン、心臓病、脳卒中などの生活習慣病は、加齢だけが原因で起こるわけではありません。食生活や運動、喫煙、飲酒など普段の生活習慣が病気の大きな要因となっています。特に、食生活の乱れによって成人型糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸がんなどが発症しやすくなるのです。高血圧になると動脈硬化を進行させ、それが引き金となって生活習慣病を発症する可能性が高くなります。野菜に多く含まれているカリウムは血圧を下げ、食物繊維は血糖値を上昇させにくくする働きがあるため、生活習慣病予防にとても効果的です。また、緑黄色野菜に含まれている色素成分は抗酸化作用が強く、悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、動脈硬化の予防に有効です。ビタミンA、C、E、ポリフェノールは活性酸素を除去し、ビタミンCやβカロテンは発がん物質の発生を防ぐことに効果的です。

1-6. 体臭がでやすくなる

加齢臭などの体臭は、年齢を重ねたからという理由だけで出るわけではありません。体臭がきつくなる原因のひとつに食生活があります。加齢臭に限らず、おならや汗、便、わきがなどの気になる臭いは、活性酸素が原因です。野菜が不足すると活性酸素が増えることによって体内の脂が酸化して、ノネナールという臭いを発生させる物質を増やしてしまいます。体臭を薄くしたいのであれば、抗酸化作用のあるビタミンCやE、ポリフェノールを摂取することが効果的です。これらの成分は、緑黄色野菜に多く含まれています。

2. 1日に必要な野菜とはどれくらいか

1日に必要とされる野菜の量はどれくらいなのかを紹介します。

2-1. 1日に必要な野菜量は350g

厚生労働省の「健康日本21」では、成人が1日あたりに摂取したい野菜の目標量を350g以上と定めています。目安として、ほうれん草のお浸しや野菜サラダ、かぼちゃの煮物などの副菜の場合、小鉢1皿に含まれている野菜の量は約70gです。野菜炒めや野菜カレーなどメインのおかずになるものは2皿分として換算されます。そのため、目標摂取量を満たすためには、毎食小鉢を1皿以上、1日に小鉢を5皿以上の野菜料理を食べる必要があります。

2-2. 実際に食べられている平均は約288g

厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、野菜の摂取量の平均は男性が295.4g、女性が281.9g、全体平均が288.2gとなっており、目標値の350gには達していません。野菜の小鉢1皿分が不足している状況です。目標値である350gを満たしている人は、成人の男女共にすべての年代の平均で30%程度にとどまっています。特に、20代の女性が14.6%、30代の女性が17.4%と、若い女性に野菜不足の人が多い傾向です。20代女性の平均値は218.4gしか取れておらず、目標値に約130g、小鉢2皿分弱も届かない状況になっています。野菜を食べなければならないと意識はしていても、実際は必要量を食べられていない人のほうが多くなっています。日本人の食生活が変化し、ファーストフードやインスタント食品、コンビニ弁当など手軽に食べられるものが増えてきました。一人暮らしで忙しい人は作るのも面倒で外食をするケースも少なくありません。こうした食事は手軽で便利ですが、どうしても野菜が不足しがちです。

3. 野菜不足を改善するために上手に野菜を摂る方法

野菜を毎日350g食べることは簡単ではありません。野菜不足を改善するために毎日の食事でどのように野菜をとれば良いのか、不足した分をどのように補えば良いのかを解説します。

3-1. 冷凍や作り置きを活用して毎日の料理に野菜を取り入れる

平日は仕事や子育てで忙しく、食事をゆっくり作っている時間がない人は、週末を利用して常備菜の作り置きをすると良いです。切り干し大根の煮物やきんぴらごぼうなどは冷凍保存もできるため、たくさん作って小分けして冷凍しておけば、平日の食事作りも楽になります。冷凍庫に入れておけば1カ月程度は保存が可能です。野菜は使いやすい大きさに切り分けたり電子レンジを使って下ゆでをしたりしてから冷凍すれば、料理にそのまま使えるため時短にもなります。また、生のままで置いておくよりも、野菜の美味しい状態をキープすることも可能です。

ポトフやスープ、みそ汁などは、生で食べるよりもたくさん野菜を取ることができ、冷蔵庫で保存しておけば日持ちさせることもできます。野菜を副菜として食べるだけではなく、野菜をメインにした料理を作ることでも食べる野菜の量を増やすことが可能です。たとえば、野菜炒めなら冷蔵庫の残り野菜が使えますし、生で食べるのと比べてかさが減るため、無理なく野菜をたくさん食べられます。

3-2. 健康食品を取り入れる

野菜ジュースやスムージー、青汁などで不足している野菜を補う方法もあります。食欲がないときや食べるだけでは必要量の野菜を摂取することが難しい場合は、これらを飲むことで不足分の野菜を摂取することが可能です。野菜ジュースで野菜不足を補いたいなら、果物がメインのものではなく、野菜100%と表示されているものを選びましょう。また、中には塩分を添加している野菜ジュースもあるため、塩分無添加のものを選ぶのもポイントです。生野菜をミキサーにかけて作るスムージーは、野菜の酵素を取り入れることができ、栄養価が壊れやすいビタミンCもそのまま摂取することができます。大麦若葉やケールなど、栄養価の高い生野菜を絞って作られている青汁は、野菜不足を手軽に解消できる飲み物です。苦くて飲みにくいイメージがありますが、子どもでも飲みやすいように改良されたものもあり、料理や飲み物に混ぜて手軽に摂取できる粉末タイプも販売されています。

3-3. サプリメントを取り入れる

サプリメントは不足している栄養分を補ってくれる栄養補助食品です。野菜不足が原因で身体のどんなところに不調を感じているかで選ぶべきサプリメントは変わってきます。自分が気になる症状に合わせてビタミンやミネラルなど、含まれている栄養成分を選ぶと良いでしょう。サプリメントの種類は豊富なため、どの商品を選べば良いのか迷うことも少なくありません。迷ったときは、基本になるビタミンを満遍なく含んでいるマルチビタミンを選ぶと良いです。ただし、サプリメントはあくまで普段の食生活で不足した栄養を補うことを目的としています。基本的には、バランスの良い食事を心がけ、ビタミンやミネラル、食物繊維なども野菜から摂取するように心がけていきましょう。

野菜不足によって体に悪影響が出ないように野菜の栄養をきちんと摂取しよう

ビタミンやミネラルは、人間の身体を健康に保つためには必要不可欠です。ビタミンやミネラルは野菜に多く含まれているため、野菜不足になると、身体にさまざまな不調が出てきてしまいます。毎日を健康に過ごすためには、普段の食生活の中に野菜を上手に取り入れることが大切です。基本的には食事で野菜を十分に摂取することが大切ですが、不足しているときは健康食品などで補っていきましょう。

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